マルチショットワークフローの中核をなす要素として、Graph Scope Variablesは、複数のショットに適用できるコンテキスト（設定）を作成し、ひとつのスクリプトを複数のショットやシークエンス全体に適用することが可能になります。

VariableSwitchノードを使用することで、マルチショットワークフローで設定された変数に基づき、ショットごとに処理を振り分けたり統合したりするワークフローを構築できます。これにより、複数のショットを同時に合成する際に、柔軟かつ的確にコントロールすることが可能になります。

Nuke 16.0 のノードグラフでは、これまで以上に自由な作業スタイルが実現できます。新たに追加されたLinkノード機能により、ノードを同時に変更したり、ノブ単位で個別に設定を上書きしたりすることが可能になりました。

ノードグラフ内で、グループおよびLiveGroupの内容を直接確認・編集できるようになりました。このアップデートにより、複数のスコープを整理・管理しやすくなり、マルチショットワークフローをよりスムーズに進めることができます。

Rotoノードが改良され、大きなシェイプや多数のシェイプを扱う際のスクリプトの処理速度が改善されました。キャッシュや再生、ビューアでのシェイプの編集・移動時の操作性、モーションブラーのパフォーマンスが向上しました。

HieroPlayer に搭載されたコンタクトシート機能を使えば、最終的なシークエンスの確認もスムーズに行えます（Nuke および NukeX ライセンスに無料で付属）。すべてのショットを一覧で表示したり、他のアーティストのショットと比較したりすることで、全体の一貫性を確保できます。

シークエンスから映像ファイルをすばやく書き出せる新機能 Quick Export が追加されました。レビュー用のシークエンス書き出しが最大12倍高速化され、他チームとの素材共有がこれまでよりスムーズに行えます。この機能は Nuke Studio および Hiero でご利用いただけます。

マスク対応のソフトエフェクトが新たに追加され、クリエイティブな意図をより明確に表現できます。さらに、埋め込みEXRレイヤーやチャンネルを活用することで、ビジュアル表現を細部まで自在にコントロールできます。今回の Nuke Studio および Hiero のアップデートでは、Inference や BlinkScript を使用したソフトエフェクトも強化され、複数のソースチャンネルや追加の出力チャンネルに対応しました。